前知事「困っている」 環境森林部長が供述
県発注の橋設計業務入札をめぐる官製談合事件で、東京都の設計コンサルタント会社「ヤマト設計」を落札させた受注調整をめぐり、県環境森林部長税所篤三郎容疑者(58)=競売入札妨害容疑で逮捕、送検=が県警の調べに対し、安藤前知事から「(ヤマト設計のことで)困っている」などと持ち掛けられ、受注調整を指示されたと供述していることが分かった。
ヤマト設計が落札した県発注の業務の中に、別の官製談合が1件あることも判明。県警は、これまでに摘発した2件とは別ルートで「天の声」が出されたとみて、こうした関係者の供述から計3件の官製談合を柱に前知事の立件を急ぐ。
関係者によると、税所容疑者が前知事から話を持ち掛けられたのは、4月に環境森林部長に就任してまもなく。今回の談合で落札したとされるヤマト設計に触れて、「困っている」という話を直接、聞かされたという。
ヤマト設計社長の二本木由文容疑者(56)=同=は、前知事の後援会県連合会が元政治団体役員石川鎭雄容疑者(68)=同=に提供した5千万円の運び役を務めていた。前知事は二本木容疑者から仕事の受注をめぐり働き掛けを受けていたとみられ、圧力をかわすためになんらかの形で「天の声」を出した疑いが強まっている。
別ルートの県前出納長江藤隆容疑者(63)=同=の受注調整指示についても、県土木部長藤本坦容疑者(59)=同=が「『知事が困っているから頼む』と江藤出納長から頼まれた」と供述しており、こうした状況は税所容疑者が話を持ち掛けられた時期とも共通する。
また、江藤容疑者が昨年8月ごろ、前知事の天の声を出すやり方に対し「そういうことをやってはいけないのでは」という趣旨の言葉で何回もいさめていたことが、関係者の話で分かった。
関係者によると、江藤容疑者は本年度に入ってから天の声に類する指示は受けていない。また、就任当初から「出納長が陳情の窓口役をやるのはおかしい」と認識していたという。