県内の特集

闇を抱えた恋人たち 県内デートDVの現状【08.9.17-08.9.20】

■講座通じ知識伝える

 5人に1人―。内閣府が2005年度に行った調査で判明した20代女性のデートドメスティックバイオレンス(DV)被害者の数である。

 しかし、実際は恋人間という狭い関係の中での出来事のため、自覚しづらく表面化しにくい。「単なる若い人のもめ事」ととらえられがちなデートDV。中絶率の増加や将来的な配偶者間のDVにつながる可能性もあり、放置できない問題ととらえる動きが広がってきた。

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 「中絶を繰り返す生徒がいるんです」。配偶者間のDV被害者支援に取り組んでいたハートスペースMに初めてデートDV被害の相談電話が鳴ったのは2005年春。恋人が避妊に協力せず、妊娠を繰り返す生徒を心配した学校関係者がかけてきたものだった。本県ではデートDVという言葉すら知られていないころだった。

 「デートDVの知識や現状を伝えなければ」。同団体は06年度から、高校を中心にデートDVに関する講座を始め、昨年度は29回開催した。最近は学校側からの依頼も増加。同団体への相談件数も年々増え、「全体の2割ほど」という。

 若者が悩んだときに相談する相手は友人が圧倒的に多い。財津三千代代表理事は「デートDV被害に気付くことはもちろん、相談に応じるためにも講座を通して知識を持ってほしい」と強調。事例を盛り込んだDVDを作成し、すべての県立高校に配布している。

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 デートDVの現状を知るためには行政の力も不可欠だ。岡山や大分、神奈川県では県が積極的にデートDV対策に乗り出す。本県では、関係団体が県にデートDV実態調査などを要望するが、実施のめどは立っていない。

 「大丈夫? 恋する若者調査研究事業」に取り組んだ岡山県は06年度の内閣府モデル自治体に選ばれた。事業で特に好評だったのは、インターネット上に若者が悩みを書き込める掲示板だった。

 同年代の人と日常会話のように悩みを打ち明けて、意見や専門家からの助言も受けることができる。期間限定の予定だったが民間に委託し、今も継続している。

 何がデートDVかは当事者のとらえ方で違う。しかし、「相手に常に気を使う」「以前できていたことができなくなる」自分に気付いたときは、二人の関係を振り返る好機だ。財津代表理事は訴える。「暴力を受けていい人間なんて一人もいない。世界に一人しかいない『自分』という存在を大切にしてほしい」
(報道部・喜屋武恭子)

【写真】関係者は「少しでも不安や危機を感じたら相談機関に電話してほしい」と呼び掛ける
(2008年9月20日付)


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