くろしお

2008年09月19日

 NHKの大河ドラマ「篤姫」人気のせいだけではあるまい。国会の「埋蔵金」論議をはじめ、身辺に何やら江戸回帰、江戸ブームの空気が漂う。時代が漂流しているためか。

 選挙戦は戦いだからどうしても時代劇調だ。自民党総裁選は派閥を超えた「合従連衡」がうごめき、来る総選挙は「天下分け目の関ケ原」。自民党が総裁選で政権の立て直しに躍起な中、ライバルの民主党・小沢一郎代表の「国替え」説が与党を慌てさせている。

 総選挙で地元岩手から東京などの選挙区に移り、与党有力候補の対抗馬に立つという。国替えを、与党の議席を減らす捨て身の攻撃的戦術に転換。真偽はともかく心理戦としては有力な兵法になろう。そういえば「刺客」もまだ健在だ。

 将来の日本の統治を考える上で避けて通れない地方分権。分権が進展すれば、現在の中央集権化での県の役割は低下する。ならばいっそ「廃県置藩」にしたらどうかの声が勢いを増している。明治維新の逆をいこうというのだから、江戸回帰も本物に思えてくる。

 江戸時代の藩は約300。日本は独立した藩による主権国家の連合体だった。これは民主党の言う「全国300の広域連合自治体で分権推進」とほぼ符合する。日本が近代的制度を整えてから140年。そろそろほころびが出てもおかしくない。

 江戸回帰の背景には経済合理性が肥大した現代社会への反省がある。環境、スローフード、地域社会のきずな…。江戸期は生きる上で重要な精神的インフラを備えていた。総裁選で行脚中の「五人衆」に静かに進むこの地殻変動はどう映るか。


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