県内の特集

真の時代【09.1.3-09.3.14】

(2009年3月14日付)
■「宮崎ブーム」に誇り

 地鶏の真空パックやマンゴーゼリー、焼酎…。本県の特産品が並ぶ宮崎市の「みやざき物産館」。特に週末は、県内外の買い物客が大量の商品を入れたかごを持ってレジの前に列をつくっている。「まだまだ宮崎の人気は続いている」。県物産振興センター総務企画課の山台さんだい修一主任は自信を持つ。

 同物産館が全国的に脚光を浴びたのは、東国原知事が誕生した2007年。知事が全国で展開するトップセールスで県産品は一躍全国区になった。

 「全国にPRする積極性が行政に欠けていた。わたしはブームの火を付けただけ」。知事は謙遜けんそんするが、物産館には同年約17万人が訪れ、売り上げは約6億円と、いずれも前年から5倍近く伸びた。昨年は26万6千人、約9億円に達した。

 来館者が増える中で、並んでいる商品には変化が見られる。以前は知事のイラスト入り商品が土産物として人気を呼んだ。山台主任は「知事のPR効果は絶大だった」と振り返る。しかし今、イラスト入りの商品は数えるほど。「人気を保つにはリピーターをつくることが必要。そのためには質で勝負しなければならない」。消費者は話題性から商品の質を重視し始めたのだ。

 生産者の意識も変わりつつある。2年ほど前から物産館に自家製のたれを置く「ファミリーショップ小野」(川南町)は1年前に知事のイラストを外した。「きっかけでイラストを利用したが、なくても売れる」。同店の小野敏治代表(61)は、消費者が味を認めてくれたと実感。どの商品も一度手にした消費者が満足してくれるかどうかが重要だという。

 物産館には現在、大都市圏の大手百貨店から歳暮や中元など引き合いが絶えない。山台主任は言い切る。「商品の名前だけでは取り扱ってくれないのが百貨店。名実ともに認められつつある」

 ここ数年、ウナギや米などの偽装問題が表面化し、食の安全を揺るがすまでに発展した。知事は「安全性を高め、長期的な安定を続けることが課題」と見据える。一方で「ブームは3カ月で去る」とも。

 しかし、物産館の売り上げは高水準を維持したままだ。そんな現状に「今は県民が誇りを持てるようになった」と知事就任以降の変化を肌で感じている。

 県内総生産に占める比率が5・9%で全国一位の第一次産業をはじめ各産業・分野で潜在的な実力を持ちながらも十分に発揮できなかった本県。小野代表は「わたしたちも変わらなければ」と語る。

 宮崎に強い光が差している。これに呼応するように地元を見詰め、歴史や素材を真の宝として磨き上げる動きがいま活発化している。(報道部・前田潤一郎 坂元穂高)

   ▽「真の時代」はこれで終わります。

【写真】本県の特産品が並ぶみやざき物産館。県内外の買い物客は商品の質を認め始めている

【宮崎の物産館】 県商業支援課によると、みやざき物産館の2008年の売上高約9億円は過去最高。新宿みやざき館「KONNE」(東京都)も08年は約5億円を売り上げ、高水準を維持している。

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