県内の特集

’08県政この1年 【08.12.25-08.12.29】

■人材確保、育成へ懸命

 医師不足問題は、今年も本県の地域医療を揺るがせた。医師を育て地域の病院に派遣する宮崎大学医学部付属病院は、入局者の減少傾向に歯止めがかからない状況。研修先を自由に選べる新医師臨床研修制度が始まった2004年以前は平均40人だったが、今年は23にとどまった。地域の病院から医師の引き揚げが相次いだ。

 県北地域医療の要である県立延岡病院では、医師の派遣中止や退職で内科医3人が去り、9月から消化器系内科が休診となった。2次救急医療を担う宮崎市郡医師会病院も7月から内科医が不在になり市内の開業医が輪番制で夜間の急患を受け入れている。

 県医療薬務課によると、県内の13病院、診療所で23人の医師が不足。県は即戦力となる小児科医を確保する一方、宮崎大学医学部の本県出身者を増やすなど、医師のを定着に努めるものの、「現状に追いつかない」とため息をつく。

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 特に、小児科医の医師不足は深刻。県立日南病院は医師2人が派遣元の宮崎大学医学部に戻るため、来春には小児科が閉鎖する危機を迎えている。同医学部部教授の布井博幸は「医局の医師が減り派遣継続が難しい」と説明する。

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 同病院小児科存続を求め、市民が「こども・いのち・つなぐ会」を11月に結成、約4万人の署名を大学や県に提出した。先天性心疾患の長男(12)が同病院に通院する同会代表の川口則子は「緊急時に宮崎市に搬送するまで1時間かかる」と不安を募らせる。

 こうした状況を受け、県は小児科医確保のため、小児科の専門研修を受ける医師に資金を貸す事業を9月から開始した。1カ月15万円を最大3年間受けられ、県内の医療機関で1年間勤務すれば返還は免除されるが、定員12人に対し募集は28日現在でわずか6人だ。

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 同大学医学部の本県出身者を増やす県の取り組みは3年目を迎えた。本県出身者の推薦枠に加え、今年から地域医療を志す学生への奨学金助成を充実させたことにより、本県出身者の割合は3割までに回復した。

 さらに、同大学は来年から1974年の開学以来初めて医学部医学科の学生を5人増やして105人にする。国の緊急医師確保対策の一環で、来年から17年度までの9年間限定。増員する5人は本県出身者が対象となる(地域特別枠)。同大学副学長の村岡嗣文は「将来、地域医療に意欲的に取り組む医学生を育てたい」と話している。(敬称略)=おわり=

【写真】東国原知事(右)に、県立日南病院小児科の維持を求める川口代表(右から2人目)=24日、県庁
(2008年12月29日付)

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