社説

2008年04月20日

地域活力へいざなう新風に

 地方への移住を呼び掛ける自治体が増えている。その多くは団塊世代の大量定年退職を契機に始まった動きで「定年後はわが県へ」とPRに躍起となっている。

 県も2006年度からこの種の事業を予算化。対象を団塊世代に限らず、相談窓口を設けるなど受け入れ整備を進めている。

 東国原知事のマニフェストを政策に反映した「新みやざき創造計画」では、2010年度までに百世帯の移住を目指している。

 すでに知事就任以降、44世帯が県の相談窓口を通して移り住んだ。若い世代も多いという。宮崎の住みやすさを確認してもらい、活力ある地域づくりへの新風となることを願う。

■教育的効果にも期待■

 人は力、活力の源である。

 全国的に人口減少に歯止めがかからない中で、県外からの定住者を増やすことによって地域を活気づける。それがこの事業の大きな狙いである。

 県みやざきアピール課は「人口が減ると、活力も経済的な力も弱まる。移住を促進し、県外から移り住んだ人たちの経験、技術、知的財産を宮崎に導入できる」と意義を強調する。

 別の土地の空気を吸いながら生まれ育った県外出身者が、宮崎の子供たちと触れ合い、やがて自身の経験を語る。そこから生まれるであろう教育的効果にも期待したい。

 この動きに合わせるかのように今月10日から5日間、東京都の大手百貨店が企画した「移住体験ツアー」で関東地方在住の十組が来県した。

 参加者の大半は60歳前後の夫婦で、観光地や病院などを回り住環境を確認、本県への移住者から生の声も聞いた。

 一方、県も温暖な宮崎の気候をはじめ豊かな自然環境を訴えるとともに、交通網など県内の現状を説明した。

■等身大の姿アピール■

 県は本年度も引き続き、セミナーを開催。知事自身もアピールしていく。

 「知事人気で事業が現実味を帯び、成功率も高まった」と県。先のツアーで百組の応募があったことも、今後の活動への自信につながっている。

 この事業に不可欠なのは情報の発信である。知事のトップセールスに加え、すでに公開しているホームページ(HP)「宮崎ふるさと暮らしリサーチ 来んね、住まんね情報サイト」も有効な手段だろう。

 さらに移り住んだ人たちによるブログ(日記風サイト)の場も提供し、人気の知事ブログにリンクすれば、より多くの人たちの耳目を集めるはずだ。

 情報発信で大切なことは、ありのままの宮崎を伝えていくことである。

 いざ転入して、これまでの説明とに食い違いが生じれば逆効果である。県は相談窓口などで事実を伝え、その中で選択してもらうスタンスだ。

 等身大の発信で国民の「第二のふるさと」として宮崎の名が根付けば県民の活力にもなる。


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