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人材というダイヤ

2019年2月13日
 かつては「黒いダイヤ」ともてはやされた石炭の関連企業は学生の人気を集めた。一流大学卒がこぞって就職したが押し寄せる石油の波にのみ込まれ、昔日の栄華を失った。

 企業に栄枯盛衰ありと知る若者の意識は変わったのか変わらないのか。近年の学生が就職先を選ぶ基準は「給料が高いか、絶対つぶれないか、仕事が面白いか、自由に仕事ができるか」の四つだという(城島明彦著「広報がダメだから社長が謝罪会見をする!」)。

 給料の多寡については、首都圏に本社を置く有名な大企業に分があるとしても、絶対つぶれないなど誰も保証できず、ましてや仕事が面白いか、自由に仕事ができるかは企業規模の大小とは無関係。もちろん中央と地方での違いもない。

 県雇用労働政策課によると昨年3月に県内の高校を卒業した生徒の県内就職率は56・8%で全国45位に低迷。また県内の大学・短大を卒業した学生の県内就職率も43・1%の低水準で、県内企業が未来を託したい若い人材の確保に苦戦する現状が明らかになった。

 若者の地元定着へ向け、県と宮崎日日新聞社は15日に「若者の県内就職促進に関する協定」を締結する。当面はそれぞれの就職関連イベントや情報誌などで互いの取り組みを紹介し、宮崎で暮らし、働くことの良さをアピールしていく。

 井上陽水さんによると作曲も「ふすま貼りと同じで一種の仕事にすぎない」とか。面白く、自由に見えても内情はけっしてそうではない。どうせなら生まれ育ち、学んだ地で輝いてほしい。ひと粒でも多く残したい人材というダイヤである。

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