鳩山政権に真摯な対応望む
政権交代から約5カ月。民主党から衆院選圧勝の勢いは失われたようだ。
与野党対決となった長崎県知事選で民主、社民、国民新の与党が推薦した元農水官僚は自民、公明の野党支援の前副知事に大差で敗れた。
国政選挙とは違い、首長選挙には地域独自の争点がある。しかし、夏の参院選の情勢を占うと与野党ともに位置付け、総力を注いだ選挙だった。
この結果は鳩山政権への厳しい審判だといえる。
■出口調査で民主離れ■
鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題に加え、米軍普天間飛行場移設問題など政策決定の混迷もある。
急落した内閣支持率、今回の長崎県知事選敗北を重く受け止め、不信の解消に向けて真剣に取り組むべきである。
選挙結果は参院選の候補者擁立作業に影響する可能性がある。
小沢氏は民主党の単独過半数獲得を目指し、改選議席が複数の選挙区に複数候補を擁立する方針だ。だが、知事選の出口調査では無党派層の民主党離れが裏付けられた。
厳しい情勢に選挙戦略の見直しを迫られる事態もあるだろう。
民主党は昨年の衆院選で、長崎県内の4小選挙区を独占した。現職引退に伴う今回の知事選も当初は与党優勢との見方が強かった。
内閣支持率の急落で情勢が変わり、自民党は幹部らを応援に投入。民主党も閣僚らを動員し、市町村や業界団体に支援を働き掛けた。それだけに敗北は大きな痛手だ。
■「政治とカネ」が影響■
鳩山首相は国政の影響があったことを認め、「政治とカネの問題の影響を受けた。真摯(しんし)に受け止める必要がある」と述べた。
では具体的にどう対応するのか、その点が問われる。
首相は「お互い説明を尽くすよう努力しよう」と小沢氏に伝えた。発言を行動で示してほしい。
証人喚問に応じるのか、衆院政治倫理審査会で説明するのか。いずれにせよ国会での説明要求に応じるべきだ。
また、首相は政治資金規正法改正に向けた与野党協議機関設置にも賛成する考えを示している。疑惑根絶に向け、与野党で早急に議論を始めてもらいたい。
自民党は、長崎県知事選勝利を踏まえて攻勢を強め、党勢回復の足掛かりにしたい考えのようだ。だが、長崎は自民党の県議も多く、業界団体など支持基盤も残る地域である。これで党勢が上向くと見込むのは早計だろう。
景気対策のために予算案の早期成立を求める声も強い。
小沢氏らの証人喚問を求めて自民党は衆院予算委員会審議を欠席した。その戦術が果たして国民の理解を得られるだろうか。与野党双方が論戦を尽くす姿勢こそが今の政治に求められている。
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